Vergilの独り言

語彙力の無さに定評のある、社会人兼どマイナーweb物書きオタクの独り言的な何か。映像作品の感想(とすら呼べるか怪しいもの)を不定期で投稿していきます

(ネタバレ注意)映画感想 其の4 『ドント・ブリーズ(原題:DON’T BREATHE)』

どうも、バージルです。

 

早くも四本目の映画の感想です。不定期更新なので、こんな風にペースが早い時もあります。

明日からまた仕事なので、ペースが遅くなります……はあ……(溜息)

 

さて、今回の映画はこちら↓

 

ドント・ブリーズ(原題:DON’T BREATHE)』

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街を出るために他人の家に忍び込んで金を集めていたクソガキ集団が、次のターゲットとして選んだ家に住んでいた、元軍人のハイパー盲目おじいちゃんに逆襲されていく恐怖を描いたスリラー映画。

 

大雑把に纏めるなら、おじいちゃんマジ怖え……((((;゚Д゚))))))) に尽きます。

 

  • 余計な事を考えずに楽しめる

ホラー物やスリラー物では、主人公達が偶然に予期せぬ不幸な目に遭わされる、といったシチュエーションが定番となっており、観客はその不幸に見舞われる主人公達がもがき苦しむ様を見物して楽しみながらも(ゲス顔)、自然とどこか彼らを応援するような気持ちになったりするものが多いです。

興奮と哀れみ、二つの感情の狭間にいるような感覚を楽しむわけですね。

 

ですがこの映画の主人公達は、珍しいくらいに、同情する必要の無いクズどもしかいませんでした。

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自分達の目的のためなら、他人から金を盗むことくらい悪戯感覚で平気でやってしまう救い難いバカ者トリオ。

こいつらが今作の主人公となっています。

 

まともな人間なら、同情なんてしませんよね。

 

こいつらが犯罪を犯してまで金が欲しい理由はさらりと語られますが、所詮チンケなコソ泥ですから、言葉の何一つも理解できないし、感情移入もしようがありません。

 

なので、こいつらが怖い目に遭わされても何一つかわいそうと思わない、ばかりか「いいぞおじいちゃん!もっとやれ!」というような気持ちしか湧いてこないわけです。

 

なので、そういう意味で、ある種爽快感すらあります。主人公達が悪役で悪役ポジションのおじいちゃんは正義のヒーローにすら見えてくるわけです(後半になってこのおじいちゃんもだいぶヤベーやつだったことが分かりますが)。

 

変にフラフラと感情が揺れ動いたりせず、「どいつもこいつもイかれたやつばっかりだな」とまっすぐな気持ちで観られるので、その点ではとても分かりやすくていいです。

 

  • ハイパー盲目おじいちゃんのハンティングショー

この映画の実質主役であるおじいちゃんは、退役した元軍人で、イラクにいた際に手榴弾の破片によって失明してしまっています。

 

ですが、そんな事を感じさせないくらい鋭敏な感覚で、周囲の気配を読み取り、我が家にずけずけと進入してきたバカ者達をジワジワと追い詰めていきます。

「いやお前どう考えても見えてんだろ!」っていうレベルで正確に追い詰めていきます。

 

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目が見えていないからか、相手に容赦というものがありません。

若者だろうが女だろうが躊躇なく銃を撃ち、殴り、蹴ります。

ですが先述の通り、その相手は倫理観の捻じ曲がったクソガキどもなので全く後ろめたい気持ちは湧いてきません。

むしろ被害者なのは完全におじいちゃんの方なので、主人公達を追い詰めるおじいちゃんの方を応援したくなります。

いやほんとあいつらマジクズガキなんでね、うん。殺っちゃえおじいちゃん!ってなりますよ、うん。

 

最後の方で、昔自分の娘を車で(あくまで事故だったらしいですが)轢き殺したものの示談で無罪になった女を地下に監禁していて、しかも新しい娘を産ませようとしていた(物語開始時点で既に妊娠していた)事が発覚し、このおじいちゃんもまともではないのがわかります。

※あ、一応言っておくとレイプではないです。試験管みたいな物に自分の精子を貯めていて、それをズボッ!とやって妊娠させたらしいです。

 あれ、なんかこっちの方がイカれてる……?(・ω・`)

 

ですがその行いも、娘を失った悲しみとやるせない怒りから来たものであり、まだ同情のできる範囲だったと思います。

やはり本当に怖いのは、私利私欲のためだけに動く人間、という事なんでしょうかね。

あとは、犬とか。犬とか。(大事な事なので二回ry)

 

  • 総評

フリーゲームにあるような設定とシチュエーションの元に88分描かれた本作。

 

序盤から途中まではかなりハラハラさせられましたが、幾分か慣れて来てしまったのか、なんだか中盤からはちょっと飽き始めてきまして……終盤もなんか「はいはい」って感じでダラダラと流れていってしまいました。

 

しかもなんだあのオチ。別におじいちゃん死んだことにしてもよくない?つーかなんであの女警察に追われてないの?それともこれから追われるってこと?だったら妹巻き込むなやクズ野郎!(怒)

 

主人公達を、おじいちゃんと恐怖感を盛り立てるための道具とする設定が逆効果になったのか、なんかすっきりしないラストを迎えたような気がします。

 

どうせなら皆殺しエンドでもよかったんじゃないですかね……どうせ誰もかわいそうなんて思わないし

あと、もうちょっとおじいちゃん無双でも良かったかも。目が見えないながらも策を巡らしてバカ者達を追い詰めていく戦略をもっと見せて欲しかったですね。

それからびびらし方もちとワンパターン気味。そろそろ来るよな、と思っていたら本当にその通りのタイミングでその通りくるものばかりだったので、なんだか拍子抜けしてしまいました。

 

総じて、期待外れだった感じが否めません。

心臓に優しかったと思えばプラスと言えなくもないですが(超理論)、もっとハラハラドキドキさせてほしかった。

 

でもおじいちゃんは実に良かった。彼目当てで観るのが、ちょうどいいくらいなのかもしれません。

 

それでは、この辺で。また次の作品でお会いしましょう。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。