Vergilの独り言

語彙力の無さに定評のある、社会人兼どマイナーweb物書きオタクの独り言的な何か。映像作品の感想(とすら呼べるか怪しいもの)を不定期で投稿していきます

(ネタバレ無し)映画感想 其の10 『ダンケルク(原題:Dunkirk)』

どうも、バージルです。

 

このブログの感想記事もどきも、今回でついに10回目となりました。

これもひとえに、自分の映画に対する愛と、溢れ出る発信欲のおかげでございます。

 

……嘘ですごめんなさい。少なからず毎回見てくださっている優しい皆様のおかげでございます。本当にありがとうございますm(_ _)m

 

さて、相変わらずセンスのない前置きはこの辺にしておき、早速本題に。

記念すべき10作目に相応しい作品となった今回の映画は、こちらになります!

 

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ダンケルク(原題:Dunkirk)』

 

第二次世界大戦中にあった『ダンケルクの戦い』を下地とした、前代未聞の撤退戦を描いた超大作。

筆者にとっては、劇場で観る初めての本格的な戦争映画となり、そういった意味でもとても貴重な体験となりました。

 

  • 稀代の天才、ノーランが描く戦争

この映画の監督、脚本を務めるのは、かの天才クリエイターと名高いクリストファー・ノーラン

DCコミックスのヒーロー、バットマンの実写映画新三部作を製作し、『ダークナイト』という史上稀に見る大傑作を生み出した偉大な人物、と言った方が、多くの人にとっては分かりやすいでしょうか。

 

彼は今までにも『メメント』、『インセプション』、『インターステラー』などの傑作を生み出してきましたが、それらは全てフィクションであり、史実を基にした作品には手を出していませんでした。

 

よって、(筆者の記憶が正しければ)今作はノーランにとって、初のノンフィクション映画になったというわけです。

 

そんな背景があるこの映画、全米では早くもアカデミー最有力という声もあるらしいという噂が流れているのも納得のできるとんでもない作品となっておりました。

 

  • 『戦争映画』というよりも『戦争体験アトラクション』

ここまで散々“映画”という表現を使っておいてなんなんですが、このダンケルクという作品は、映画というよりもある種の映像体験型のアトラクションと呼ぶべきかな、と筆者は感じました。

 

それというのも、この作品はストーリーがそこまでカッチリ描かれておらず、ほとんど登場人物の視点から戦争の真っ只中の様子を見た場面で構成されているため、全体のストーリーが分かりづらいという風になっているのです。

 

おそらくノーランは、ストーリーは「今登場人物達に何が起きていて、行動の結果どうなったのか」くらいが分かれば十分だと考え、戦争の臨場感、緊張感、恐怖感を徹底的に観客に味わわせることに注力したのでしょう。

 

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筆者は大して戦争映画を経験してきたわけでもないんですが、たぶんこういった作品は同ジャンルの中でもかなり特殊な部類なんじゃないかと思います。

良い意味でも悪い意味でも『映画らしくない映画』になっている作風のためか、実はネット上では賛否両論あるらしく、「大傑作だ!」と賞賛する人もいれば、「ガッカリした」というような否定的な意見を持つ人もいるそうな。

 

筆者は前者寄りな感想を持ちましたが、まあ否定的な意見も理解はできるかなと。

ただそれはあくまで、「劇的なドラマを期待していた分の反動」を考慮した際の話であり、「なんでドイツとイギリスが戦争してんの?」とか「話がよく分かりませんでした……(小声)」とかいう理由で低評価を下しているような頭の悪いおバカちゃん達を肯定しているわけでは決してないのであしからず( ◠‿◠ )

 

とにもかくにも、この映画ではあまり濃密なストーリーテリングはなされず、それこそまるでドキュメンタリーや再現フィルムのような映像が、数名の登場人物にスポットを当てながら迫力満点に描かれています。

昨年の日本で空前の大ヒットを飛ばし、筆者もBDを予約して購入し、もう5回くらいは見返した邦画史上の神作『シン・ゴジラ』にも、ある種通じるものを感じました。

 

正直、よくありがちな、分かりやすいドラマティックな物語を期待している人には、若干難解で伝わりづらい気もするので、オススメはしづらいかも……(ーー;)

 

  • 総評

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普段あまり頭を使ったり真面目な映画を観たりすることがないせいで、こういった作品の感想を書くのが疲れたので(さて、短いかもですがそろそろまとめを)

↑本音と建前が逆ぅぅ!!!

 

先述の通り、ダンケルクは凄く好みが分かれる映画だと思います。

 

ストーリーや場面の流れがちょっと分かりづらく、また登場人物達の描写もそこまで深くは掘り下げられないため、戦争映画として、あるいは単純に一本の映画として薄味だと感じる人も少なからずいるかと思います。

 

ですが、終始戦場の中で必死に生き延びようとする人物達の目線から疑似体験する、容赦なく襲い掛かる戦場の、戦争の凄惨さ、悲惨さ、過酷さなどは、かつてないほどの緊張感と恐怖感がありました。

また、そんな地獄のような状況の中でも確かに輝く、一人でも多くの人を助けたい人間の想いの尊さ、素晴らしさも、多少あっさり目ではありますが感じ取ることもでき、人間賛歌的な側面もあったように思います。

 

ですのでこれは、是非劇場で(IMAXでね!)体感していただき、心と体に刻みつけていただきたく思います。

 

好きか嫌いかはともかく、戦場の疑似体験ができるという意味では間違いなく魅力的であると思いますので。

そして最後には、筆者と同じく万感の思いを抱いて劇場から出てもらえれば、同じ一人の映画ファンとして幸いにございます。

 

それでは、今回はこの辺で。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう。