(ネタバレ&グロ注意)映画感想 其の11 『エイリアン:コヴェナント(原題:Alien:Covenant)』
どうも、バージルです。
すっかり寒さを感じる時期に入ってきましたね。
筆者は札幌に住んでいるのですが、そろそろ半袖だと凍えるような気温になって、「もうそんな時期か〜」と時の流れの速さを痛感しています。
ついでに言うと、ここ数日は雨な日が多くてなんとなく気が滅入ることも多かったり……
趣味の小説の執筆も、いつも使ってるiphone6のバッテリーが完全に死んでしまったせいで、ipadで書くしかなく、なんとなくモチベが上がらずテンションの下がる日々を送っております……おかげでFGOもできないしね……_(:3 」∠)_
しかし、そんなイマイチ盛り上がらない生活に、本日観た映画は良い刺激を与えてくれました。
その作品がこちら↓
『エイリアン:コヴェナント(原題:Alien:Covenant)』
スピンオフも含め、現状8作品が作られている『エイリアン』の最新作。
前作となる『プロメテウス』の続編に当たる位置づけであり、偉大なる一作目を監督したリドリー・スコットが再びメガホンを取ったSFホラーです。
- 映画としては、良質なSFホラー。しかし……
※ネタバレ有りきのブログなので大丈夫とは思いますが、一応言っておきます……
この先、人によっては気持ち悪いと感じたり、生理的に受け付けない話や画像が出てきます。
もし未見だけど興味本位で本記事を覗いたという方で不快になったりしてしまった方は、残念ですがそっ閉じしていただくことを推奨致します。
エイリアンシリーズとは、“そういうもの”でございますので。
さて、それでは早速。
SF映画の金字塔を打ち立てたリドリー・スコットが、再びエイリアンの世界観を広げるべく作り出した新シリーズ。
その最新作となった今作ですが、相変わらず味のあるSF要素や、終始漂う緊張感なども含め、素直に面白いと思いました。
ただ、それはあくまで「一つのSFホラー映画」として観た場合の話であり、「エイリアンシリーズの作品」として見た場合、ちょっと事情が変わってきます。
ここで余談になりますが、筆者は「エイリアン」というものが大好きです。
感情らしいものを一切持たず、他種族の生物の命を犠牲にして自分達の種族を繁栄させるという残忍な生殖法を持ち、全ての個体がそのためだけに行動する危険性。
しかも彼らの体長はかなり大きく、細長い体格の癖に人間など容易く捻り殺せるくらいに力が強く、また動きもかなり素早い。更に舌にあたる部位には“第2の口”と言うべきインナーマウスを備えており、これを槍のような勢いで伸ばすことで鉄をも破壊することができる攻撃力を持つ。オマケにその漆黒の身体に流れる血液は濃硫酸でできており、下手に傷つけると相手の方が重傷を負うという抜かりのなさ。
外見のデザイン含め、存在していることそのものが宇宙全体への冒涜と呼べる、まさしく大迷惑な宇宙ゴキブリと言えるでしょう。
ここまでの俺様ぶりを発揮している生物は、SF映画界においてもそうそういるものではないでしょう。いや、そんなわんさかいてもらっても困りますがね(^◇^;)
しかしながら、そんな余計なものが一切ない、生存本能のみで動く行動理念、純粋に過ぎる攻撃性、凶悪性。生理的嫌悪感を煽るにも関わらず、どこか官能的とさえ呼べる秀逸なデザイン。
単純な怪物には見出せない、それら全ての魅力に、筆者は小学生の頃から虜でした。
※(おいおい、ガキの頃からそんなもんにハマってたとか大丈夫かよお前……)と思ったそこのあなた。
大丈夫です。バッチリ悪い大人になりました👍
だってほら見てくださいよ!このスマートでクールなカッコよさ!!↑↑↑
この機械っぽさのある生物感!サソリっぽい尻尾!感情移入を思わず諦める、目や鼻の無い顔!そしてアレですよ!女子に大人気の細マッチョですよ!細マッチョ!(天海春香)
さて、ちょっと興奮してしまいました。
おそらく八割方の女性がドン引きしたでありましょうが、話を続けます。
詳しくは過去作を見るなりwikiで調べるなりしてもらいたいんですが、エイリアン自体の魅力もさることながら、シンプルで恐ろしくもよく練られた設定や、ストーリー、恐怖感のある演出などにも、筆者は強く惚れ込んでいました。
ちなみに個人的には、やはり2が好きですね。
小学生の時に最初に観たエイリアンということもありますが、あの戦争感がたまらなく爽快です。今でもBDで時々見返しているくらいには好きです。1ももちろん大好きなんですが、やはり思い出補正もあって2が一番かな〜と。
で、そんな超長い前置きを踏まえ、このコヴェナントについて話させてもらうと、『シリーズとしては』物凄く微妙な印象を受けた映画でした。
たぶん、筆者のように過去作に思い入れがあればある人ほど、好き嫌いが分かれる映画になっていたかと。
筆者としては、「いや嫌いじゃないけど好きじゃないよ?」くらいの感じです(曖昧)。
- そもそも……
前のプロメテウスからそうなんですけど、「エイリアンは実はエンジニアという人類の祖先に当たる存在によって創られた生物だった……?」という後付け設定が受け入れられない人には、今作もまたオススメはできないです。
「エイリアンはそんな陳腐な存在じゃねえ!」という意志を断固として崩さない人は、過去作を見返して楽しみましょう。
コヴェナントでも、エイリアン(この作品ではゼノモーフ=何かに変化する者の意、と呼ばれていますが)は他者によって創られた存在であることが描かれてます。
しかもそれは、前作に出てきたエンジニアではなく、事故から生き残ったアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)が“10年間の暇潰し”の中で生まれたと言うのだからまあびっくり。
>デヴィッド:ごめ〜ん!暇だからちょっとお前ら滅ぼすわ〜!
>エンジニア達:えっ!!?マジで!!?
暇潰しの実験のために皆殺しにされるとかたまったもんじゃないですね……(゚o゚;;
他にも、より生物兵器としての完成度を高めた新種「ネオモーフ」というやつが出てきます。
全身が白く、より人間に見た目を近づけたエイリアン、といった感じのデザインと言えましょうか(画像がちと見辛い)。
既知のエイリアンとは違い、口内には牙が生え揃っており、それで人間を普通に食ってしまいます。劇中では女性キャラが首を喰い千切られて捥がれたあと、残った体を食われておりました。ちょうどバイオ1のあのシーンみたいな感じで。
しかし、こいつが真に恐ろしいのはそこではなく、その誕生プロセスの単純性。
最初は真っ黒な微粒子状の物体のような見た目なんですが、これが生き物のように動いて、耳や鼻から人間の身体に入り込み、ものの数時間で体内で成長し、幼体になった段階で宿主の背中や口を突き破って現れる、という、あまりにも簡単で回避困難なチートっぷりです。
先述したエンジニア達も、皆この黒い微粒子に食い殺されて絶滅した模様ですし。
エイリアンに比べて成体の攻撃力や耐久力、敏捷性などは劣りますが、汎用性や殺傷性においては、まさしく最強であると思いました。
まあ、おかげで劇中では二体しか出てこないんですけどね笑
しかし、こいつもまた、賛否両論を呼ぶ原因の一つなんじゃないかと。
成長方法があまりにもチートだし、簡単すぎるし、エイリアンが面倒なプロセスを踏まないと生まれない下位互換のように思われても仕方ない存在のようにされてしまったことは避けられない問題だと思います。
ぶっちゃけ別にこいついらなかったのでは、と思う人も少なくないんじゃないかな〜と思います。
マンネリにならないように、という意図はもちろん見えるんですが、いかんせんこういうのは難しい……と感じました。
また、エイリアンの方も、様式美とすら言える「フェイスハガー襲撃→チェストバスター登場」の流れがあるのは良かったんですが、そのチェストバスターにいきなり手足が生えていて、すぐに立ち上がったのもコレジャナイ感がありました。
「リドリー余計なことしないで……」と、正直筆者は少し思ってしまいましたね。
- 女は強し!
しかし、過去のシリーズから全くブレずに受け継がれているものが一つ。
それは、主人公となる女性の逞しさ、強さです!
最初の方はパニクっているだけの頼りない存在でしたが、エイリアンが出始めてから急激に"漢”を上げ始め、めちゃくちゃ勇ましい活躍を見せてくれました。
斧を持って自らエイリアンに向かって斬りかかって行ったり、最後の戦いなんかでは「ぶっ殺す!」とか言ってデカイ音を立てて囮になったり、閉じ込めたエイリアンに「覚悟しやがれ!」と言ってのける肝っ玉の太さを持った、芯の強い女性でした。
リプリーのエイリアンキラーの精神を受け継いだニューヒロインの誕生を、筆者は見た!!
ラストのデビットの裏切りによって死んだのかどうかいまいちはっきりしてないんですが、もし生きてるなら、次回作にも出てほしいですね〜。せっかくこんないいキャラしてたのに一発限りで退場とかもったいない……もったいなくない?
- 総評
気がつけば結構長くなってしまいましたので、そろそろまとめを。
……ぶっちゃけ眠い( ˘ω˘ )
コヴェナントは、普通にSF映画として面白いですが、エイリアン好きには許せないと感じる方も少なからずいるかと思います。
なので、前作プロメテウスがダメだった方はもちろん、エイリアンシリーズが大好きで堪らないという人も、ある程度身構えておいた方がいいです。
この映画が好きだという方も嫌いだという方も、筆者はどちらも肯定します。
でも、これを観て今一度再確認したのですが、どんなに形が変わっても、やっぱりエイリアンは最高だ!そしてそれを劇場で観られるなんて幸せ!ということです(雑なまとめ)。
この(一応)1の前日譚とされているシリーズは次もあるみたいなので、一体どんな感じになるのか、筆者は今から楽しみです。
どんな形でもいいから、ずっと続いてってほしいな〜(^○^)
それでは、なんだかあまりまとめられてないような気もしますが、今回はこの辺で。
また次の作品でお会いしましょう、ありがとうございました。