(ネタバレ注意)映画感想 其の14 『IT イット “それ”が見えたら、終わり。(原題:IT:chapter one)』
どうも、バージルです。
今回もまた、一本公開中の映画を観に行って来ましたので感想を綴っていきますよ(・ω・`)
その作品はこちら
『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』
予告編を観てとても気になってしまい、とうとう劇場に足を運んでしまった次第であります(´∀`)
結果的には、観に行って正解な良作でございましたよ!
- ホラー<青春群像劇
この映画、かの有名な小説家=スティーブン・キングの代表作の一つ『IT』を原作としており、映像化作品としては二作目となる物らしいです。
その過去に作られたTV版は観たことがなく、かつほとんど情報が無いままで鑑賞に至ったのですが、『全世界にトラウマを植え付けた衝撃作』みたいなことをやたらと強調していたのに反し、筆者はこの映画は『青春群像劇』の側面が核になっていると強く感じました。
確かに全体的にホラーのテイストが漂っているし、後述するペニーワイズの存在は間違いなく恐怖そのものなのですが、それ以上にメインとなる登場人物の少年達の友情と成長が色濃く描かれておりました。
だからと言ってホラーな面が薄かったかといえばそういうわけでもなく、(ところどころやりすぎて笑いが込み上がりそうになるくらいの)恐怖描写はきちんと盛り込まれており、総じてバランスが良かったかと思います。
- いろんな意味で強烈すぎるキャラクター、ペニーワイズ
しかしなんと言っても、この作品は終始悪役として立ち回る謎の存在、“それ”=ペニーワイズ無しには語れません。
予告編の時から「うわぁすっごい」と思ってましたが、実際に見たらやはりそれ以上のインパクトを誇っておりました。
↑これですよ、この顔!バットマンのジョーカーと同じく、一度観たら忘れられないビジュアルですね^^;
ちなみに、“それ”を演じるビル・スカルスガルドの本来の素顔は、かなりイケメンです
ウホッ、いい男♂
27年ごとに舞台となる街に現れ、子供を攫って貪り食う謎の怪物。おかげで彼が住み着いた街の殺人、失踪者の数は他の街の平均の六倍(!?)程になっているんだそうな。どこの杜王町だよ!
物語は、メイン主人公であるビルの弟が、一年前に突然雨の日に姿を消し、それから自分や他の子供の前にも現れるようになったペニーワイズの正体に迫っていき、やがて弟を始めとした行方不明事件の犯人が彼であることを突き止め、戦いを挑んでいくという流れで展開されます。
要するに、ガキんちょ軍団vsペニーワイズというわけです。
ペニーワイズは人間ではなく、最後まで妖怪のような存在として描かれます。都市伝説みたいに捉えるといいかもしれません。
人外らしく様々な特徴、特殊能力を持ってます。
どんな場所にでも現れる、どんな攻撃を受けてもすぐに再生する、鋭い歯がびっしり生えた口で獲物を喰い千切る(これでビルの弟の腕をもぎ取りました)、相手に幻覚を見せる、そして極め付けは、相手が最も恐怖を抱いている存在の姿に変化することができるというものです。なんて性格の悪い能力なんだ……!と見てて思いました( ゚д゚)
また彼は、恐怖を抱く人間の味が好物であるため、能力を活用してあの手この手で子供達を驚かせようとします。
それがこの映画のホラー要素としての醍醐味の一つだと思うのですが、これがまた強烈で……
一歩間違えれば完全にギャグですよあれw つーか筆者は、予告編の最後にもあった、水浸しの地下室でテンション上げながら迫ってくるあのシーンで、ちょっと顔がにやけてしまいました(゚∀゚)
テwンwシwョwンw上wがwっwてw来wたw
ホラーとギャグが紙一重である難しさを改めて感じました( ͡° ͜ʖ ͡°)
まあその辺はともかくとして、ユーモアがあり一見陽気で無邪気そうな言動と、それとは正反対な残忍さを併せ持ち、恐怖の象徴として描かれたキャラクター性は、分かりやすく鮮烈で魅力的に映りました。
プラス、この物語においてただ子供を誘拐して食うだけの怪物以外の意味も持たせたところが、とても良かったと思います。
- 力を合わせ、恐怖を乗り越え、成長する、王道展開に燃える
ペニーワイズについてもう一つ言うことがありました。
それは、大人にはその姿、及び彼が見せる幻等の力は、大人には認識できない、ということ。
そのためこの映画の主役となる子供達は、自分達の力だけで彼と戦わなければならないハメになります。
そしてこれが他の凡庸な作品と違っていると感じたところなのですが、この映画には協力してくれるような大人は一人も出て来ません。ばかりか、出てくるのは皆ロクでもないやつらばかりです。故に子供達は結束を迫られ、だからこそ強い力を発揮して大きな恐怖に立ち向かうことができたのです。
加えて彼らは、皆何かしらの問題を抱えた子供ばかり。
親に虐待されていたり、いじめられていたり、両親が死んでいたり、病気を患っていたりと……
同じような境遇を持つ彼らは、惹かれ合うように集まり、『ルーザーズ・クラブ(負け犬集団)』というチームを作って共に行動していきます。いろんなところで言われていますが、かの『グーニーズ』みたいな雰囲気を感じました。
そして、最初はペニーワイズのびっくりアクションに恐怖していたものの、段々と仲間のおかげで勇気を持って戦うことを選ぶようになり、ついには自分の問題やトラウマとも真っ向から戦えるようになっていきました。
恐怖するものに化けられる能力がある意味好都合となり、彼らは心身共に強くなっていき、恐怖を乗り越えることができました。
最後の井戸の底での決戦シーンでは、恐怖を完全に踏み越えたクラブの面々によってペニーワイズはボコボコにされ、初めて人間に対して『恐怖』を感じ、消滅していきました。
このペニーワイズという恐怖と戦い、乗り越えて強くなり、最後には勝利するという流れは、実に王道で熱くなるもので、筆者はとても好感が持てました。
予告からは想像できないような内容で、いい意味で裏切られた感じでした。やはり仲間や友達って、良いものですね……(安直なまとめ)
- 総評
ホラー要素ももちろんありますが、一番は少年達の熱い友情ドラマ。
筆者はそこに魅力を感じましたし、たぶんこの映画を観た人の多くも同じように感じたのではないでしょうか。
ペニーワイズというキャラクターの強烈さ、怖さ、そして熱い物語、ITが実はこういうテイストの話だったんだと知れて、嬉しかったですね。
あ、あと一つ驚いたことが。
それは物語の最後、場面が暗転してから出てきた文字です。
「IT パート1 終」
え、この映画、続くの!!?(°_°)
まあ原作が子供編と大人編とで分かれている作品らしいので、映画も同じように分けてやるつもりなのでしょう。
ファンには当然の知識だったのかもしれませんが、なにも知らずに観にきた筆者は驚いてしまいましたσ^_^;
次がいつになるのかはわかりませんが、とりあえず続きもちゃんと観にいきたいです!また熱い物語が見られることを期待しております。
それでは、このへんで。
ここまで見ていただき、ありがとうございました。
また次の作品でお会いしましょう。
>バイバ〜イ