Vergilの独り言

語彙力の無さに定評のある、社会人兼どマイナーweb物書きオタクの独り言的な何か。映像作品の感想(とすら呼べるか怪しいもの)を不定期で投稿していきます

(ネタバレ有り)映画感想 其の20 『ダーク・タワー 原題:The Dark Tower』

どうも、バージルです。

 

突然ですが、皆様は所謂“中二病”にかかったことはございますか?

中学二年生くらいの、分別の付いていない多感な時期の子供が、ゲームとかアニメとか漫画とかに出てくるような、いかにもカッコつけたような衣装だったりキャラクターだったり仕草だったり言葉だったりをやたら真似して粋がったりする、アレです。

 

女性の方ならまだしも、野郎の方々ならばきっと一度はかかったことがあるでしょう(偏見)。

その原因の大半は先述の通り、ゲーム、アニメ、漫画から、あるいは映画や小説から影響を受けたことによるものと思われます。

 

筆者が今回観てきた映画も、多感な時期の中学生達に強い影響を与えてしまうような強烈な映画になっておりました。

 

その映画とは、こちら↓

 

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ダーク・タワー 原題:The Dark Tower』

 

『シャイニング』や『ミスト』や『IT』など、映画化された作品も数知れない名作小説を生み出してきた伝説的作家スティーブン・キングが、自らライフワークと称すほど情熱を注いできた作品の、満を持した映像化。

 

予告編のスタイリッシュリロードアクションに惹かれ、ガンアクション大好きな筆者は早速飛びついて行きました。

 

めっちゃくちゃカッコよかったです(とうに多感な時期を過ぎているはずにも関わらず影響を受けている奴)

 

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筆者は原作を全く読んでいなかったので、映画から受けた印象だけしか話せませんが、個人的にはかなり王道を征く物語になっていたかと思います。

 

ニューヨークに住む少年ジェイクは、一年前消防士の父親が亡くなってから、夢で不吉なイメージを見るようになる。

それは自分のような複数の子供が椅子に縛り付けられ、彼らの力を集めて巨大な装置から放たれたビームが天高くそびえる黒い塔を破壊する。それを嬉々として眺める黒衣の男。そして——その男と戦う二人の銃使い=ガンスリンガー

 

自分が見た恐ろしいイメージを次々と絵に描き起こしていたジェイクは精神病扱いされ、母親と義父にも精神病棟送りにされそうになったが、逃走。その途中、偶然“ポータル”と呼ばれる装置を起動してしまい、今いる世界とは違う平行の世界『中間世界』へと飛ばされてしまうのであった。

 

そこで最初に出会ったのが、最後のガンスリンガーと呼ばれる男——ローランド・デスチェイン

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彼は師であり父親であるガンスリンガーを、ジェイクがイメージで見た黒衣の男=ウォルターに殺されており、その復讐のために旅をしていた。

 

初めはジェイクのことを鬱陶しがっていたローランドだったが、彼が特殊な能力を持つ存在であると徐々に分かり始め、信頼を向けていくようになる。

そして、ジェイクはイメージの“暗黒の塔”が幾つもの平行世界を護り、もしタワーが崩壊したりすれば、外の世界から魔物が押し寄せて自分達の世界が滅びることを知り、彼の助けを借りてウォルターを倒しに向かうのであった。

 

まさに、悪vs正義。

 

とにかく世界を滅ぼしたい悪いやつと、復讐に捉われる正義のヒーローの構図が実にわかりやすいかつ魅力的でした。

 

そしてやはり、この映画は主役二人が最高にイカしていたからこその作品であったように思いました。

 

  • 黒衣の男——ウォルター

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この映画で誰よりもキャラが立っていたウォルター。

多感な時期の子供に見せてはいけないキャラクターその1。

 

こいつがま〜とにかく恐ろしい!「インターステラー」で地球と人類を救ったパパと同じ役者とは思えない冷酷ぶりです。役者ってほんと凄い( ゚д゚)

 

キネシスのような物体を自在に操れる能力に加え、強烈な催眠術をかけ、人を意のままに操ることができる。

彼が「憎め」と言えば相手は他者を憎むようになり、「逝け」と言えば安らかに逝き、「息を止めろ」と言えば相手は窒息して死ぬ。

 

口笛を陽気に吹きながら平然と殺戮を行い、世界を支配するために行動する悪の鑑。

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演じるマシュー・マコノヒーの怪演により、どす黒いながらもユーモアがあり、見ていて楽しい魅力に溢れたキャラクターになっていました。

 

有り体に言えば、完全なる中二病患者ですね(爆)。見た目も黒ずくめだし。ロングコート着てるし。

 

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純粋すぎる悪であるが故に、その魅力は凄まじいもので、筆者にとってもお気に入りのキャラクターとなりました。

たぶん中学二年生の頃にこの映画が公開されていたとしたら、筆者も純粋に影響を受け、クラスメイトに突然「息を止めろ」と囁いて「は?」って顔をされていたことでしょう。

 

もし貴方の知人が近日中に、急に黒いロングコートを着出したり、口笛を吹きながら陽気な態度を取り出したり、突然「息を止めろ」とか命令したりしてきたら、それはきっとこの人のせいで間違いないでしょう。

 

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レミントンのカスタム(らしい)のような見た目のリボルバーをスタイリッシュに操る屈強なガンマン。

多感な時期の子供に見せてはいけないキャラクターその2。

 

様々な世界を護るダーク・タワーを守護する存在、ガンスリンガーの最後の末裔。

ちなみに、劇中では彼はアーサー王の子孫で、彼が使う銃もアーサー王が使った聖剣エクスカリバーから作られた物であるとのこと。

 

自身の過去に捉われながら生きていたが、主人公の少年ジェイクと出会い、一緒に旅を続けていく中で徐々に自分の使命を取り戻し、世界を護るために戦うことを決意する。

 

屈強で王道的な役柄を、パシフィック・リムマイティ・ソーで有名なイドリス・エルバが好演していました。

 

この人もなかなかの中二病です。影がありながらも根は優しいキャラクターもさることながら、渋い声、いかつい体格、なにより、スタイリッシュすぎるリロードアクション、クールなガン捌き!

 

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指で押し出して瞬時に弾を込めたり、

 

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落下してきた弾倉をそのままシリンダーに装填して即射撃に移行したり

 

真似したがってリボルバータイプのモデルガンを買ってしまいたくなる衝動に駆られること請け合いです(゚∀゚)

 

しかもこの人もロングコートを着用。更に立派なヒゲまで。

 

もしも貴方の知人が近日中、まるで何者かへの復讐に燃えているような静かながらも激しい感情が秘められた言動を取ったり、ロングコートをバサァッて大袈裟にめくって銃を取り出すような仕草をしたりしたら、それはきっとこの人のせいで間違いないでしょう。

 

  • 総評

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全8部にも渡る長編小説である原作を見ていなかったからかもしれませんが、筆者としてはなかなか上手にまとめられたアクション映画だったのではないかと思います。

やや展開が早かったり、説明が不足してるのではと思うところもありましたが、概ねは満足かと。

 

やはり最大の見所は、先述の通りウォルターとローランドの二人。とにかくこの二人が魅力的で、最後まで世界観に浸ることができました。

あと、ローランドとジェイクのコンビも良いですね。二人にはずっと仲良く旅をしてほしいものです。

 

原作のどこまでを映画化したのか把握してないんですが、もしも続きがあるならぜひ見たいです……次はもっとローランドのガンアクションを多めでお願いします( ´∀`)

 

以上、今作の感想でした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう。

 

最後に。

この映画でとても強く印象に残った台詞を。

 

 

——我は手で狙い定めぬ。手で狙う者、父親の顔を忘却せり。

I do not aim with my hand;

he who aims with his hand has forgotten the face of his father:

 

——我は目で狙い定める。

I aim with my eye.

 

——我は手で撃たぬ。手で撃つ者、父親の顔を忘却せり。

I do not shoot with my hand;

he who shoots with his hand has forgotten the face of his father:

 

——我は“気”で撃つ。

I shoot with my mind.

 

——我は銃で殺さぬ。銃で殺す者、父親の顔を忘却せり。

I do not kill with my gun;

he who kills with his gun has forgotten the face of his father:

 

——我は心で殺す。

I kill with my heart.

 

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もしも貴方の知人が近日中、この台詞をぶつぶつと言い出したなら、それはきっとこの映画の影響と見て間違いないでしょう。