(ネタバレ有り)映画感想 其の22 『シェイプ・オブ・ウォーター 原題:The Shape of Water』
どうも、バージルです。
近頃めっきり更新頻度が下がっていて申し訳ないです……
実のところ、BDで何本か映画を観てはいたんですが、どうにも時間と気力が無くて更新できていませんでした。
なにせ、仕事は毎日残業ばかりだし、未だクリアしてなかったFGOのストーリーもやりたいし、ニンテンドーSwitchのベヨネッタ1、2もやりたいし……ってことでタスクが山積みになっていて、心にゆとりが全く無かったんですよね(´・_・`)
しかしそんな中、今回は劇場に足を運ぶことを結構前から決めていた作品を、無事に予定通り観てきました!
それがこちらです↓
皆大好きギレルモ・デル・トロの最新作。
観終わった後の率直な感想としては、大雑把ですが“美しい物語”であると思いました。
- 人間とクリーチャー、異種族間の純愛
たぶんいろんな人がいろんなところで既に言いまくっていることと思いますが、この映画は「美女と野獣」や「シザーハンズ」などの、“人間”と“異形”との愛を描く作品となっています。
しかしながら、これは他の作品とは全く違った内容となっていました。
それはまず、主役となる人間と異形それぞれのキャラクターが、かなり特殊であったからだと思います。
主人公の人間の女性イライザは幼少期の事故により喋れなくなり、コミュニケーションは常に手話で行う清掃員。
↑ここの、手話で「FUCK(くたばれ) YOU(クソ男)」を伝えるシーンは良かったですね(ニッコリ)
劇中でも言われてましたが、容姿について正直そこまで美人でもない(めちゃ失礼)。まずそこが、既存の作品とは違うと思うんですよね。こういった物語って、必ず美女美男を用意するのが基本な気がするんです。だって、ウケやすいから。
でもそうはしなかった。監督が描きたかったものを表現するには、よくいるような美女では駄目だったのです。
相手役の不思議な生き物(名称はパンフレットから引用)に関しては、見る人にもよると思いますが、半魚人のような見た目をしていながらもどこか神々しいような、そんな外見をしています。
彼は見た目も人間と全く異なっている上、言葉も話せません。
しかし相手の言葉や感情を理解し、意思の伝達をすることはできます。また、音楽に喜んだりするなど、感情表現もできる。
この物語は、そんな彼とイライザとの純粋な愛を描いた、ちょっと不思議で美しい話なのです。
単に作者の知見不足かもしれませんが、あんまりこうい組み合わせって見たことがない気がします。なので、個人的には新鮮な気持ちで見られました。
……たぶん、語彙力が全く無くて何が特殊なのか全然伝わってないと思われますが、一度でも見てくれた方なら理解てくれると思います(震え声&他人任せ)
- ギレルモ監督の愛が詰まったキャラクター像に胸キュン
この映画はなんと言っても、イライザと彼との恋愛がメイン。
先述の通り、二人ともかなり個性的なのですが、それでも見進めていくとどちらも輝いて見えてくるから凄い。愛おしくなる、とでも言いましょうか。
どっちも真に清らかな心を持ち、また人間らしさを持った存在であり、感情移入がとてもしやすかったです。
イライザは手話でしか相手とコミュニケーションが取れないのですが、その手話で相手に気持ちを伝えようとする演技が素晴らしかった。彼が解剖されると知って助けに行こうと一緒に住んでいる友人のジャイルズに持ちかけるも断られた時に、壁を殴りつけてまで呼び止めて「彼を助けなければ、私達も人間じゃないわ」と諭すシーンは、胸にグッとくるものがありました。
言葉が伝えられないからこそ、心を伝えることの重要さをより知っている彼女の人間性が、単純に人として凄いと思わされました。感情表現のヘッタクソな筆者も爪の垢を煎じて飲むべきですね、はい(・ω・`)
彼もまた、魅力的。
名前すら与えられていないながらも、途中で人の指を食いちぎったり猫の頭を食ったりで、最後まであくまでもクリーチャーとして描かれていながらも、実に感情的で惹きこまれるキャラクターでした。
最後、自分を撃ったストリックランドに向かっていく様は、カッコいいとすら思ってしまいましたしね(╹◡╹)
恐ろしくも普遍的であり、畏敬の念を抱くような存在——クリーチャーという概念に対するギレルモ監督の深い敬意が感じられました。
そうそう、惹きこまれるキャラクターと言ったらこいつは欠かせない。
悪役となるストリックランドです。
終始威圧感のあるいや〜な軍人として描かれるわけですが、彼もまたただの仕事に忠実な苦労人ってだけなんですよね……
そう考えると、ムカつきはするものの、どこか同情できなくもない……いや、やっぱないわ(無情)
なんにせよ、不思議な生き物のせいで立場を失うハメになりかけてどんどん冷静さを欠いて暴走していく終盤の鬼気迫る表情は、本当に凄かった。
主演の二人に負けない、見事な熱演でした。でも許さない(断言)
- 総評
音楽、少しダークな雰囲気のある映像、奇妙ながらも愛おしくなるクリーチャー像と、ギレルモ監督らしい要素ももちろんですが、種族間を超えた二人の真実の愛の物語は胸を打つものがありました。
雑破にまとめてしまうなら最初にも言った通り、“美しい”、この一言に尽きるかと。最後もハッピーエンドで終わってスッキリした気持ちだったし、その点も良かった。
美女もそうでもない女も野獣も半魚人もない。
ただ、そこにある愛の尊さ、愛の形が、ただただ美しくそこにある。
きっと、これを見た方々も同じように感じられたのではないでしょうか。
ギレルモ監督と言えば「ブレイド2」とか「パシフィック・リム」とか、ああいうイメージが強くて、こういう感じのはどうなんだろうと若干不安に思ってもいたんですが、結論から言うと観に行ってよかった!これはアカデミー賞最有力も納得。
また素晴らしい一本に出逢えて、筆者は至極幸いにございました(´∀`)
それでは、今回はこの辺で。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう。